飛鳥山1号墳です。一帯は御殿前遺跡と呼ばれる縄文、弥生、古墳時代から近世に至る複合遺跡です。武蔵国の豊島郡衙もこのあたりです。王子の音無親水公園から王子神社、名主の滝あたりは何度も行ったことがありますが飛鳥山公園は行ったことがありませんでした。
武蔵野台地本郷台東端にある5基の円墳群の飛鳥山古墳群のなかのひとつ。直径31メートルで横穴式石室があり、6世紀後半から7世紀初頭に形成された。
この古墳に限って言えば、後期古墳なのですでに記紀など文献がある程度史実を反映している時期で、あまり「古代幻想」に入り込むという感じではありません。
しかし、山手線近くにいくつも古墳があって、その時期の風景を想像してみると現代のビル林立との対比で不思議な感じです。芝丸山古墳(港区芝)、亀塚古墳(港区三田)、猿楽塚(渋谷区猿楽町)、下戸塚遺跡(新宿区西早稲田)などです。
古代の風景を想像してみるのは楽しいことです。
写真は武蔵野台地本郷台東端の現状を示しています。奥に向かっているのは飛鳥の道という通路で、左の崖の上に古墳群があります。右は京浜東北線、東北新幹線、さらに荒川に向かって沖積低地が広がります。
この地形図の中央「+」印のところがおおむね飛鳥山古墳群のあたりです。(国土地理院の『地図の利用パンフレット』によると「デジタル標高地形図」は承認を受けずに引用できるようなので載せました)。標高は24.7mです。右のブルーのゼロメートル地帯のさらに右にある台地は下総国府のある台地です。豊島郡衙から下総国府方面よく見えたことでしょう。
古墳のなにが面白いのかと聞かれることがありますがうまく答えられません。
ただ、歴史のそれぞれの時代が近代の幻想(国家、父系親族組織などのしくみなどなど)に至る道であったとは言えないでしょう。
参考:東京都遺跡地図情報インターネット提供サービス、『日本歴史地名体系13巻東京都の地名』、『北区埋蔵文化財調査年報 ー平成29年度―』、国土地理院「デジタル標高地形図」



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