5月2日、京都国際写真祭(KYOTO GRAPHIE)に行きました
今年も京都国際写真祭に行ってきました。
と言っても、行ったのは数ある会場のなかで2か所だけです。
1か所目は四条烏丸に近い八竹庵(旧川崎家住宅)で行われていた写真展「The Logic of Truth (Adam Rouhana)」です。
撮影したRouhana氏はパレスチナ系アメリカ人で、パレスチナの日常生活が写っています。写真は、いわば撮影対象への好意に満ちた旅行者の視線を感じさせるもので、イスラエルの地域内の内戦をめぐるジャーナリズムのステレオタイプから離れた自由な視線が一貫しています。写真を見て回ると快いリズム感を感じます。
もう1か所見に行ったところは、京都国際写真祭サテライトイベントとされている「KG SELECT 2025」という写真展です。場所は二条城に近い堀川御池ギャラリーです。
これは、10年以上続いているKG SELECT Awardという取り組みで、「キャリアや世代を問わず世界中から集まったエントリーの中から国際的に選出された10組のアーティストを紹介」するということです。
詳しい仕組みや京都国際写真祭との実際の関係はわかりません。ドイツ、メキシコ、フランス、日本から、京都国際写真祭主宰者と関係が深い人々が審査をしていて、SIGMAがスポンサーのようです。
「病院」サンヒョン・ソン(SangHyun Song)
「Work naming has yet to succeed」何兆南(HO Siu-Nam)
いずれの写真も映像自体たいへん力強いものでした。十分に「写真を見た」という経験に浸ることができます。
それぞれ、香港の民主主義圧迫であるとかフェミニズムであるとかテーマ性を帯びているように、紹介文では説明されていました。しかし素直に写真を見ている限りでは、それらの説明は「The Logic of Truth」におけるパレスチナ問題のように、衣装に過ぎないと思われます。
通常、意図せずに写真に写ってしまったものの力はテーマの力よりも強いと言えます。
もっとも、写真は社会問題に引き寄せたほうがポピュラーになりやすいのでそれはそれで戦術としては重要なのかもしれません。
毎年京都国際写真祭に来て思うことですが、このイベントは本当に大したビジネス上の力量によって支えられているようです。妙な「芸術的」なイメージ作りよりもやや社会派的にふるまったほうがイベントの広がりを作るためには効果的なのでしょう。
参考:『KG+SELECT 2025 Official Book & POST CARD』、「KYOTO GRAPHIE 2025 MAIN PROGRAM」
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