2023年5月14日日曜日

4月(2023年)、西国33カ所のうち山寺三カ所に行きました(4/4槇尾山施福寺、4/10岩間山正法寺、4/23安土山観音正寺)

 槇尾山施福寺(大阪府和泉市)

和泉の国の名刹施福寺です。急坂の山の上にあります

施福寺の縁起を読んでいたら気になる記述がありました。「【磐筒男神】(いわつつのおかみ)が降臨されたとされる磐座が山中には今もある」という部分です。この神様の性格は諸説あってよくわかりませんが、刀剣にまつわる神であるとか岩の霊威とする説もあるようです。磐座があるのであれば後者の可能性もあるのでしょう。巨石信仰は雷神や蛇神の結びついていて、つまりは水にかかわる信仰のようです。
槇尾山の山頂の方には蔵岩という巨石があるそうですがいまは立ち入り禁止で近寄れません。
満願の滝

山から下りてきてバスを待っていると売店の方が、すぐ近くの満願の滝も観たらどうかと勧めてくれたので行ってみました。これはこれは、50メートルの落差があるすばらしい滝です。
しっかり蛇がいます

帰りには陶邑が近いのでちょっと寄りました

陶邑跡に見学できる遺構はほとんどないようですが、泉北高速鉄道泉が丘駅近くに
栂第61号窯が移築復元されています。

岩間山正法寺(滋賀県大津市)

岩間山正法寺

山に登る途中の風景、北方面。中央付近に三上山、左手に琵琶湖が見えます

ここでは磐座は見当たらなかったのですが、すぐ近くの上醍醐寺奥の院には陰岩、陽岩という巨石があるということです。磐座信仰と言い、巨石信仰と言っても近代のイメージの信仰のようなものではないでしょう。治水・灌漑の土木工事や日々の農作業と水にかかわる神々への祈りは一体のものだったのでしょう。

このあたりの里はとても気持ちのいいところです。右側の山にお寺があります

そのまま瀬田川まで降りて行って、南郷洗堰に行きました。これは明治36年に設置された堰の一部です。(いまの堰はもう少し下流にあります)
これは琵琶湖の水位と淀川水系の水位を調整するためのもので、水害を防止し農業用水の安定供給を図るためのものです。
明治の土木遺産を見るたびに「土木の夢」といったものを感じます。
時代はまったく違いますが、古墳時代の河内、和泉、近江でも大規模な治水・利水工事を神々に祈りながら夢を持って進めていたのでしょう。いつの時代でも水の制御は日本列島にとっての重要な課題です。

安土山観音正寺

観音正寺には五箇荘の方から裏参道を通って登りました。途中に巨岩があります。

観音正寺。右の石組みは曼荼羅をなしているようです

寺から南方面の展望。右に三上山が見えます

山を下りて観音正寺のふもとにある安土瓢箪山古墳に寄りました。近江の国の中でも古い4世紀半ばの前期古墳です。
安土の里まで来て振り返り、観音正寺・安土瓢箪山方面を望む

参考:facebook西国第4番札所 槇尾山 施福寺2018220日、國學院大學神名データベース、山上伊豆母『古代祭祀伝承の研究』



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